採血は看護師として避けて通れない技術です。
ですが、苦手意識を持ってしまうこともありますよね。
「何度もやっているのに、うまくいかない…」と悩むこともあるかもしれません。
採血が上手な人には特徴があります。
上手な人の特徴を知ることで、明日からの自分に役立てることができるかもしれません。
この記事で解決できるお悩み
- 採血はどんな人が上手いの?
- 採血が上手くなるためのコツは?
コツさえつかめば、血管が細い人や蛇行したり弾力のない血管の人も採血できます。
「採血が上手い」と頼られる側の看護師の仲間入りしませんか?
採血が上手い人の特徴10選
ここでは「採血が上手い人」の10の特徴を詳しく解説します。
1. 血管の視認・触診力
採血が上手な人は、目と指先で血管をしっかり見つけられます。
特に高齢者や子どものように細い血管でも、「ここならいける」というポイントを素早く見つけます。
視診と触診のコツは「手の甲でも必ず触って確認する」ことです。
繰り返し練習するうちに、自然と精度が上がります。
2. 針を刺す角度の熟知
針を刺すときの角度がずれると、血管を傷つけたり、患者さんが痛みを感じたりします。
採血が上手い人は、刺入角度を「15〜30度」の間に保つことを常に意識しています。
コツは、初めから角度を決めて迷わないこと。
練習では、ペンを使って机の上に針を刺すイメージで角度を確かめてみましょう。
感覚が身につくと、いざ本番でも自然にできるようになります。
3. 力加減の調整が上手い
針を刺すときの力が強すぎると、血管を傷つけてしまいます。
逆に、弱すぎると針が正しく入らず、やり直しになってしまいます。
上手な人は力の調整が的確で、針が自然に入るように力を使います。
「力まずに、でもブレない」感覚を養うためには、日常的に手首の力の抜き方を意識するのがポイントです。
たとえば、空の注射器を使って空気を吸引する練習も効果的です。
4. 迷いのない刺入
「一度で決める」という姿勢が、患者さんの安心感につながります。
採血が上手な人は、針を刺す前に「ここに刺す」と決めて、迷いなく刺入します。
迷ってしまうと手が震えたり、針を刺すまでの時間が長くなったりします。
緊張する場合は、「一呼吸おいてから刺す」といったルーティンを作るといいでしょう。
自分のペースで集中できるようになります。
5. 安定した手の動き
採血が上手な人は、手の動きがスムーズで安定しています。
針を刺してから管に血液を取るまで、ブレることなく一連の動きを行います。
この安定感は、手首を固定する意識から生まれます。
患者さんの腕を支える際、肘の下にタオルなどを入れるのがおすすめです。
余計な力を使わずに済むので手の安定を保ちやすくなります。
6. 血管の代替ルートの活用
採血が難しい患者さんの場合、別の血管を選ぶことも求められます。
上手な人は、手の甲や足の血管など、複数の採血ポイントを知っており、適切なルートを選択します。
たとえば、「肘でうまくいかなければ手の甲を試す」といった柔軟な発想が必要です。
いざというときに備えて、普段からさまざまな血管に触れておくと良いでしょう。
7. 内出血の予防ができる
針を抜いた後にしっかり止血をしないと、内出血を引き起こすことがあります。
採血が上手な人は、針を抜く瞬間から押さえる力加減まで、細部にまで気を配ります。
コツは、針を抜くと同時にすばやくガーゼを押さえることです。
また、患者さんに「ここをしっかり押さえてくださいね」と声をかけることで、協力を得やすくなります。
8. 器具の扱いが早い
採血には、真空管や針の交換など、素早い器具の取り扱いが求められます。
手際よく器具を扱うことで、患者さんにも安心感を与えられます。
上手な人は、採血の前にすべての器具を確認し、スムーズに作業できるよう準備を整えています。
たとえば、手順ごとに必要な道具を一列に並べておくと、慌てずに済みます。
9. トラブルへの迅速な対処
針が血管に入らないときや、途中で血液が止まってしまったときも、落ち着いて対処できることが大切です。
上手な人は、「ここで無理をしない」と冷静に判断し、別の血管に変更することもためらいません。
万が一失敗しても、「次にどうするか」をすぐ考えられる人ほど成長が早いものです。
10. 感染予防
採血では、感染を防ぐための感染予防が欠かせません。
針を扱う手順や消毒の方法を徹底することで、安全な処置ができます。
上手な人は、一連の動作を習慣化し、「何をいつするか」を常に考えながら行動します。
使い終わった針をその場で廃棄するなど、小さなことの積み重ねが患者さんへの信頼につながります。
採血に自信を持てない原因
「何度練習しても上達しない」「失敗が続くと怖くなる」。
採血がうまくいかないと、そんな気持ちになることもありますよね。
ここでは、採血に自信を持てない原因を3つに分けて深掘りします。
自分がどの原因に当てはまるかを見つけることで、明日からの改善につなげましょう。
血管が見えない不安
血管が浮きにくい患者さんを前にすると、どうしても不安になりますよね。
特に高齢者や脱水気味の患者さんの血管は細く、浮きにくいため、うまくいくかどうか心配になることも多いです。
経験が浅いうちは「本当にここでいいのかな?」と、何度も確認してしまいがち。
しかし、採血が上手な人も最初は同じ悩みを抱えていました。
血管が見つからないことは、自分の技術不足だけでなく、患者の体調によるものも多いのです。
それを「自分のせい」と思い込み、プレッシャーに感じてしまうことが、苦手意識を生む一因になります。
スムーズな流れの準備不足
焦りから、手順が頭から飛んでしまった経験はありませんか?
「準備はしたのに、いざ本番になると手が震える」ということはよくあります。
特に、周囲の視線や患者さんの反応が気になる場面では、普段できていた手順も乱れがちです。
これは、「手順を完璧にこなさなければならない」という思い込みから生まれるものです。
事前準備が不足していたり、流れが頭に入っていないと、些細なミスでも焦りが募ります。
「早くしなきゃ」と思うほど、手が震え、針を入れるタイミングがずれてしまうこともあります。
針を刺す角度や深さが分からない
針の角度や深さは、看護師なら誰もが悩むポイントです。
針を浅く刺しすぎて血が出なかったり、深く刺しすぎて患者さんが痛がったりすることもあるでしょう。
「今の角度で合っているのか?」と迷いが生じると、次の採血でも同じ失敗を繰り返してしまいます。
この原因は、経験不足だけでなく、手の感覚に自信が持てないことにあります。
特に新人のうちは、血管の深さが患者ごとに違うため、毎回手探りで行いがちです。
「失敗したらどうしよう」という不安が手元を狂わせ、ミスを増やしてしまうのです。
自信を持てない理由は、それぞれ異なります。
ただ、自分の苦手な部分を知ることで、一歩ずつ解決に近づくことができます。
大切なのは、「失敗しても次に生かそう」と前向きに考えること。
失敗は誰にでもあるものです。
それを乗り越える気持ちが、あなたをさらに成長させます。
自分を責めすぎず、少しずつ前に進んでいきましょう。
採血技術を高めるコツ
採血に不安があるとき、ただ「練習しなきゃ」と思うだけでは解決しません。
成功のカギは、具体的なコツを押さえ、経験を重ねることにあります。
ここでは「血管を見つける視診・触診のコツ」「手ブレを防ぐ安定した姿勢」「トラブル時のリカバリー力」の3つのポイントを紹介します。
今日から使えるテクニックを身につけ、少しずつ自信を持っていきましょう。
血管を探す視診・触診のポイント
「血管が見つからない」と焦る場面、ありますよね。
ですが、経験豊富な看護師は「見えなくても触れば分かる」と信じています。
血管を探すときに視診だけに頼ると失敗しやすくなります。
視覚と触覚の両方を活用することが成功の秘訣です。
触診の感覚を鍛えると、次第に「ここだ」という手応えが分かるようになります。
まずは、普段の業務で少しずつ触診の感覚を磨いていきましょう。
手ブレを防止!安定した姿勢と支え方
手がブレると、針が血管を外してしまう原因になります。
患者さんの腕を支えるとき、自分の姿勢も安定させることが大切です。
針を持つ手を固定しないと、焦ったときに思わぬミスをしてしまうこともあります。
無理に力を入れようとすると、かえって手がブレやすくなります。
落ち着いて針を持つ感覚を練習して、手の動きを一定に保ちましょう。
針が入らない場合の対処法
採血では、どうしても一度でうまくいかないことがあります。
そんなとき、焦って何度も刺してしまうのはNGです。
上手な看護師は、失敗したときの対応をあらかじめ考えており、冷静に対処します。
失敗しても、それをどう次につなげるかが重要です。
焦らず落ち着いて、次にできる最善の手段を選びましょう。
まとめ
採血がうまくできないとき、不安を抱えるのは自然なことです。
ですが、今回紹介した「採血が上手い人の特徴」を意識することで、誰でも確実に上達することができます。
最初から完璧にできる人はいません。
上手な人も失敗を重ね、少しずつ技術を磨いてきました。
大切なのは、自分の課題に気づき、小さな改善を積み重ねることです。
「できない」ではなく「これからできるようになる」と思うことが、成長の第一歩です。
今日の努力が、未来のあなたを作ります。
あなたもきっと「採血が上手い看護師」になれますよ。応援しています!