なんだか私だけよく患者さんを看取っているような…なんて考えたことありませんか?
何となく自分が受け持ったことで、患者さんの命を終わらせてしまったように感じる方もいるかもしれません。
実は、「看取りによく当たる」と感じるには理由があります。
この記事で解決するお悩み
- 看取りによく当たる理由はある?
- 自分のせいで患者さんの命が尽きてしまうの?
- 看取りによく当たることが不安
受け持った患者さんを看取ることは、あなたのせいではありません。
どんな理由があるのか、一緒に見ていきましょう。
目次
看護師が看取りによく当たる理由5つとは?
看護師として働いていて、なぜか自分が看取りによく当たると感じることがありますよね。
ここでは、その原因を5つに分けて解説していきます。
①経験豊富な看護師に任されやすい
経験が豊富な看護師は、自然と終末期の患者さんを任されることが多くなります。
特に延命処置の可能性がある患者については、患者の容態の微妙な変化や兆候に早く気づく必要があるため、
経験を積んだ看護師に任されやすい傾向にあります。
私も経験を積むにつれて、患者さんの状態の変化にすぐに気づくことができるようになり、その結果として看取りを担当する機会が増えました。
このように、技術や判断力が高いと判断された看護師が終末期ケアを任されやすくなるのです。
②特定のシフトや病棟の影響
看取りが多く発生する時間帯やシフトに入ることも、一つの理由です。
特に夜勤や休日勤務など、医師や他のスタッフが少ない時に、看護師が看取りの役割を担うことが増えます。
私も夜勤の時に看取りに遭遇することが多くありましたが、これは単にシフトの影響です。
なので、もしあなたが同じように感じているなら、それはシフトの影響によるものかもしれません。
③患者との信頼関係が強い
看護師として、患者さんと強い信頼関係を築いていると、看取りの場面でもその信頼が大きく影響します。
患者さんが心を許す看護師のそばにいると、安心して最期を迎えられるのです。
私も以前、信頼関係を深く築いた患者さんの看取りに立ち会ったことがありました。
その時、患者さんからの信頼を感じ、看護師としての使命感が強くなったのを覚えています。
④チームからの信頼
あなたがチームから信頼されていることも、看取りを任される理由の一つです。
チームが安心して任せられる看護師には、重要な場面を託すことが多くなります。これは私自身も経験しています。
チームで信頼されると、重要な場面での役割が増え、看取りの機会も多くなるのです。
信頼を受けているということは、それだけ責任も増えますが、自分の成長にも繋がると前向きに捉えてみてください。
⑤終末期の患者を多く担当する病棟に配属
緩和ケアや集中治療室など、終末期の患者さんを多く担当する病棟では、看取りに遭遇する機会が多くなります。
私の友人も緩和ケア病棟にいた時は、日常的に看取りに向き合うことが多くあったと聞いています。
もしあなたがこうした病棟にいるなら、看取りの頻度が多いのは自然なことです。
大切なのは、自分のケアが患者さんにとってどれだけ大きな安心感を与えているかを忘れないことです。
「なぜ私だけ?」と思うのは偶然?それとも必然?
看護師として働いていて、「なぜ私の時だけこんなにも看取りが多いのだろう?」と感じることはありませんか?
その感覚は単なる偶然ではないかもしれません。
看取りが多い背景には、あなたの心理的な影響や、看護師としての特別な使命感が関係していることが考えられます。
それでは、具体的にどのような理由があるのでしょうか?
看取りに関する心理的な影響とは
看取りは、どの看護師にとっても心に深く残る経験です。
特に最初の看取りは、強い感情を伴うため、記憶に鮮明に残ります。
そのため、実際にはそれほど多くの看取りに立ち会っていなくても、心理的には頻繁に経験しているように感じることがあります。
私自身も初めての看取りは、まるで昨日のことのように覚えています。
看取りに直面するたび、その記憶がよみがえり、「また自分の時だ」と感じるのかもしれません。
看護師としての使命感と感受性
看護師には、患者さんの最期に寄り添うという大切な使命があります。
そして、その使命感が強いほど、患者さんと深い絆を結びやすくなります。
あなたが感受性豊かで、患者さんに真剣に向き合っているからこそ、自然とその役割を任されるのです。
私も患者さんの小さな変化に敏感で、最期の時間をできるだけ快適に過ごしてもらえるよう努めてきました。
それが、結果として看取りに立ち会う機会を増やすことに繋がっていたのだと思います。
偶然と感じることが重なる原因
一方で、看取りが多いと感じるのは単なる偶然の積み重ねである可能性もあります。
例えば、特定の時間帯やシフトに入っていることが多い場合、終末期を迎える患者さんに遭遇しやすい状況が重なることもあります。
また、病棟の患者の状態によっても、特定の看護師が看取りに立ち会うことが多くなることもあります。
私も何度か「今日は偶然が重なっただけだ」と思わざるを得ない時がありましたが、そういった偶然も大きな役割を果たしているのです。
こうした要因が絡み合って、看取りに多く立ち会っているように感じることがあるのです。
自分を責めたり、偶然だと片付けるのではなく、看護師としての役割を冷静に受け止め、前向きに考えることが大切です。
看取りによく当たることへの不安を解消するには?
看護師として働いていて、看取りに立ち会う機会が多いと、不安や心の負担が大きくなることもあるかと思います。
特に、自分の勤務中に看取りが続くと「なぜ私ばかり?」と感じるかもしれません。
そういった不安を少しでも軽くするためには、まず自分の気持ちを整理し、適切な方法で感情の負担を和らげることが大切です。
ここでは、そのための具体的なステップを2つお伝えします。
気持ちを整理するためのステップ
まずは、自分の中で抱えている感情を整理することが重要です。
看取りに当たることが続くと、無意識のうちにストレスが溜まってしまいます。
以下のステップを踏むことで、気持ちを整理し、心の健康を保つことができます。
- 自分の感情を素直に認める
「悲しい」「辛い」といった感情を否定せず、まずは受け入れてみましょう。看取りに立ち会うことは、決して楽なことではありません。素直に自分の気持ちに向き合うことが、心の負担を軽減する第一歩です。 - 信頼できる人に話す
誰かに話すだけで、気持ちが軽くなることがあります。同僚や友人、場合によっては上司に話してみましょう。同じ経験を共有できる人が身近にいるかもしれません。 - 記録をつける
自分の感情や体験を日記に書き留めることで、心の中を整理できます。具体的な事実を振り返ることで、感情の整理が進みます。
感情的負担を軽減する方法
看取りに立ち会うたびに心の負担を感じることがあるかもしれません。
それを軽減するためには、3つのの対策を試してみましょう。
- 深呼吸やリラクゼーション法を取り入れる
看取りの後、心が重くなることがあります。そんなときは、深呼吸やリラクゼーションの方法を実践してみてください。心を落ち着けることで、気持ちをリセットできます。 - 自分を責めない
「私が担当したから」というふうに、看取りに関して自分を責めてしまうことはありませんか?看取りは、避けられない自然なプロセスです。責任を感じすぎないようにしましょう。 - 定期的なリフレッシュを心がける
仕事の合間やオフの日に、自分をリフレッシュさせる時間を意識的に作りましょう。趣味や運動、リラクゼーションなど、自分が心から楽しめることを積極的に取り入れることで、感情的な負担が軽くなります。
これらの方法を取り入れることで、看取りによる感情的な負担を少しでも軽減し、
心の健康を守りながら仕事に取り組むことができるようになります。
看護師として大切なのは、自分の心もケアすることです。
看取りに立ち会う経験を前向きに捉える方法
看取りに立ち会うことは、心に大きな影響を与える重い経験ですが、
それを前向きに捉えることで看護師としての成長やキャリアに役立てることができます。看
取りは、ただ悲しい別れの場ではなく、患者さんに最後まで寄り添い、安心感を提供する大切な瞬間です。
ここでは、看取りに立ち会う経験をどう前向きに捉え、看護師として成長できるかについて3つお話しします。
患者に寄り添うケアの意味を見つける
看取りの経験は、患者さんに対するケアの深い意味を見つけるチャンスでもあります。
最期の瞬間まで患者さんに寄り添うことができるのは、看護師としての大きな責任であり、喜びでもあります。
私も、患者さんの最期に立ち会ったとき、「どんなに小さなことでも、心を込めたケアが患者さんにとって大きな意味を持つ」と感じました。
患者さんに寄り添うことで、その人が少しでも安らかな時間を過ごせたと感じられることは、看護師にとって大きなやりがいです。
患者に寄り添うケアの意味を見つける
看取りの経験は、看護師としての成長にもつながります。
特に、患者さんの状態を見極める力や、適切な対応を行うスキルが磨かれます。
例えば、呼吸の変化や表情のわずかな違いに気づけるようになると、早めの対応ができるようになります。
私も何度か看取りを経験する中で、患者さんの最期をより良い形で迎えるために、どんなケアができるのかを学びました。
看取りは辛い経験ですが、それを通じて自分の看護師としての力を高めることができます。
看護師としてのキャリアに活かす方法
看取りの経験は、あなたのキャリアにおいても大きな財産となります。
看護師としてのスキルや知識を深めるだけでなく、感情面での強さや、患者さんとの関わり方の深さが増すのです。
この経験を通して、将来は緩和ケアやホスピスでの看護、または終末期医療に特化した分野でのキャリアを築くことも可能です。
私自身、看取りの経験を積んだことで、患者さんの最後の時間をどう支えるかという大切さに気づき、
それが私の看護観に大きな影響を与えました。
看取りの経験は、一見つらいだけの出来事のように思えるかもしれませんが、そこには深い学びと成長の機会があります。
それを前向きに捉えることで、あなたの看護師としてのスキルがさらに磨かれ、
今後のキャリアにも大きく役立てることができるでしょう。
まとめ
看取りに立ち会う経験は、看護師にとって心に大きな影響を与えるものであり、時には「なぜ私ばかり?」と感じることもあるでしょう。
しかし、これはあなたが信頼され、重要な役割を担っている証でもあります。
看取りの経験を通じて、患者に寄り添うケアの大切さや、自己成長の機会を見つけることができます。
また、この経験は将来のキャリアにも大きく影響し、あなたの看護師としての道をより深めるものです。
不安を感じた時こそ、心のケアを忘れず、前向きにこの経験を捉えていきましょう。