毎日一生懸命働いているのに、何でこんなに給料が低いんだろう?
そんな疑問を抱えながら、看護師としての仕事を続けていませんか?
患者さんの命を預かり、時には自分の時間を犠牲にしてでも職務を全うする。
それなのに、給料が割に合わないと感じることがあるかもしれません。
この記事で解決する悩み
- 看護師の給料が低いと思うのは私だけ?
- 実際、看護師の給料って他と比べてどうなの?
- 給料を上げる方法はある?
このブログでは、そんな看護師さんのために、給料に対する不満を解消し、
日々の働きがいを取り戻すための具体的な対処法6つをご紹介します。
今よりももっと納得のいく働き方を見つけてみませんか?
目次
看護師の給料が安い!と思う理由
看護師として働く中で、心身ともに大変なことがたくさんありますよね。
でも、その苦労に見合った給料をもらえているかというと、ちょっと疑問に思うこともあるかもしれません。
看護師が「給料が低い」と感じる理由について、わかりやすくお話ししていきます。
サービス残業が多い
新人の時に私が一番「やってられない」と思ったのが「始業時間前の業務」です。
新人の頃は情報収集に時間がかかり、30~40分は使っていました。
もちろん、もっとかかることもありました。
加えて私の病棟では
朝の申し送り(始業時間)前に
- 「点滴のミキシング」
- 患者さんの元へ行く「ワゴン作り」
も済ませておくことになっていました。
それだけで60分はタダ働きになります。
20代病棟看護師の一般的な平均時給は1500~2000円と言われています。
間をとって1750円としたとき、1日8時間22日出勤した場合、
1750(円)×0.6(時間)×22(日)=23,100 (円)
1か月のサービス残業は、始業時間前の分だけで23,100円にもなるのです。
1年で約27万7000円です!
月換算してみても大きいですが、年換算してみると金額の大きさが際立ちますよね。
夜勤、変則勤務が辛い
看護師の仕事には夜勤や変則勤務がつきもの。
昼夜逆転の生活を送ることもあり、体力的に非常に厳しいです。
私自身、夜勤明けの日は、眠気と疲労でほとんど何もできず、一日中ベッドから動けないこともありました。
さらに家族や友人との時間も取りづらく、孤立感を感じることもあります。
それにもかかわらず、夜勤手当がそれほど高くないため、「これだけ苦労しても、この給料か…」と感じることがありました。
意外と重労働
看護師の仕事は、思っている以上に体力を使います!!
特に患者さんの移動や介助を行う際には、腰に負担がかかります。
看護師ってヘルニアや腰痛持ちの人多いんですよね。
中にはコルセットしながら仕事する人も…。
看護の授業でボディメカニクスを習いますが、多少軽減できるもののやっぱり体への負担は大きい。
積み重ねが重労働となります。
このように、身体的な負担が大きい割に、それが給料に十分に反映されていないと感じることが多いです。
命を預かる責任でプレッシャー
看護師は、患者さんの命を預かるという非常に大きな責任を担っています。
特に、緊急時には迅速で正確な判断が求められ、そのプレッシャーは計り知れません。
夜勤独り立ちして間もない頃…
産婦人科で陣痛でお産が進んだ産婦さん2人+寝たきりの心不全で入院した患者さんが急変しました。
他のメンバーは産婦さんについていたため、私は急変対応を1人で行わう事になりました。
病棟が産婦人科だったので急変時の経験も知識も浅く…
半泣きになって、医師にすべて聞きながら対応したのを覚えています…。
自分が行った処置が命に直結すると思うと、仕事の責任の重さを痛感しますよね。
私の先輩は大ベテランだったのですが「羊水塞栓」に初めて当たり、判断を誤れば死んでしまうという状況の中、嘔気に襲われながら業務したそうです。
大ベテランであってもプレッシャーは付きまとうんですよね。
昇給が少ない
看護師は、経験を積んでも昇給が少ないことが多いです。
実は看護師は一般職よりの昇給率が低く、30代後半~40代に一般職よりも給料平均が低くなる傾向にあります。
役職がついたり、委員会で大変な仕事を任されたり…
仕事量は増える一方なのに給料が上がらなかったら、やってられない!という気分にもなりますよね。
実は危険と隣り合わせ
看護師の仕事は、実は危険と隣り合わせです。
感染症のリスクは常にありますし、患者さんが突然暴れたり、危険な状況に巻き込まれることもあります。
化学療法を行う場合では適切な対策が出来なかった場合、流産、不妊症、白血病、その他のがんのリスク増加が問題になると言われています。
自分の体を危険にさらして業務を行うのに危険手当等はありません。
先輩の同期で、針刺し事故により自身も感染してしまったケースがありました。
怒られると思い初めは黙っており、発覚が遅れてしまいました。
帰宅後も勉強必須
特に新人の頃は下記のように、覚えることが大量にあります。
- 各病棟に多い疾病+一般的な治療法
- 患者の基本的ケア
(バイタルサインの測定、身体の清潔ケア、食事介助) - 薬剤管理
(よく使用する薬剤の効果や作用時間) - 患者の状態観察
(各疾病でどんな症状がでるか?記録の書き方) - 医療処置の補助
(採血や点滴の準備・実施、医師の処置の補助) - 緊急対応
(急変時の対応、救急蘇生法の習得)
経験も大事ですが、業務外で知識をインプットして、業務でアウトプットする。
これの繰り返しだと思います。
仕事で気を張って疲れ切って帰ってきて、また自宅で勉強する…
なかなか休まるときがありませんよね。
私の友人は仕事終わりに同期と図書館へ寄って帰るというルーティンだったそうです。
家に帰るとついゆっくりしたくなりますもんね。
看護師の給料、実際どうなの?~平均と比較~
一般的な看護師の給料は?
看護師の給料は厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると平均で年収約508万円、月給約35万円です。
(基本給+夜勤手当・残業手当などの各種手当+年間に支給されたボーナスなども含めた総額)で計算しています。
ただしこの金額は「地域」や「病院の規模」、「経験年数」によって大きく異なります。
都市部で働く看護師と地方で働く看護師では、給料に差が出ることが多いのです。
例えば、都市部の大病院では高めの給料が期待できますが、地方の小さな病院では低めの設定が一般的です。
看護師 | 全職種 | |
~29歳 | 約29.5万円 | 約25.5万円 |
30~39歳 | 約33.5万円 | 約33.0万円 |
40~49歳 | 約37.2万円 | 約37.3万円 |
50~59歳 | 約38.7万円 | 約39.4万円 |
60歳以上 | 約31.4万円 | 約28.4万円 |
上の図のように、新社会人になった頃の看護師の給料は平均よりも高い傾向にあると言えます。
しかし40歳を超えると給料は逆転し、一般企業のほうが高収入になるのです!
他の職種と比べてみる
代表的な業界と看護師の平均給与を比較してみます。
職種 | 平均給与 | 看護師との比較 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 約40.2万円 | この業界は高収入で安定しており、看護師よりもやや高い水準です。 |
製造業 | 約32.5万円 | 製造業は比較的安定した収入がありますが、看護師と同程度か、年齢や職種によっては看護師よりもやや低いことがあります。 |
宿泊業・飲食サービス業 | 約25.7万円 | この業界は比較的低収入であり、看護師の給与はこれよりも高い水準です。 |
情報通信業 | 約36.5万円 | 情報通信業は高い技術力を必要とする職種が多く、看護師と同程度かやや高い給与水準です。 |
学術研究,専門・技術サービス業 | 約38.5万円 | 専門職や技術職が多いこの業界では、看護師と同じかやや高い水準の給与が得られます。 |
こうしてみてみると看護師の給料も一般的に見て決して安いわけではありません。
でも給料の質って、業務内容にも大きく左右されますよね。
給料が高いと言われる職種は「専門性が高い」「夜勤業務があり身体を酷使する」…など、理由があります。
給料が安いと思ったときにやれること6選
自力で給料を上げる努力は出来ます。
日々出来ることもあるので見てみましょう!
残業代の申請を怠らない
難易度★☆☆☆☆
まず一番手始めに出来る努力がこれです。
意外と申請自体を忘れている人も多いのですが、残業代の申請を怠ると毎月数千~数万円程度タダ働きをしていることと同じです。
後からやろう、では忘れてしまうので「業務後に申請の時間を設ける」など工夫しましょう。
師長さんが残業を認めてくれません…
厚生労働省のガイドラインでは、
「労働者が使用者(会社など)の指揮命令下に置かれている」時間を労働時間と規定しています。
緊急対応や記録だって業務として認識され認められたものであり、残業代を申請するに値する業務です。
夜勤の回数を増やす
難易度★★☆☆☆
やっぱり夜勤手当は大きいです。
夜勤に1回入るだけで数千円~1万円前後増えますもんね。
中にはママさん看護師など、夜勤がなかなか入れない…というメンバーもいるかと思います。
そんなメンバーにとっても、誰かが夜勤を代わりに入ってくれるというのはありがたく、シフトを組む師長も快く夜勤の回数を増やしてくれるでしょう。
夜勤をすると体に負担になることは間違いないので、自身の体と相談しながら夜勤回数を決めてくださいね!
資格取得でキャリアアップ
難易度★★★★☆
日本看護協会が公表した2022年の資格手当の調査では、以下のような結果になりました。
- 専門看護師・・・月額(平均)11,566円
- 認定看護師・・・月額(平均)8,556円
資格を取るまでに時間も労力もかかりますが、毎月上乗せされていくもので生涯年収としてみると大きな差になります。
自分が興味のある分野があれば、スキルアップの意味を込めて挑戦してみるのもいいかもしれません。
管理職を目指す
難易度★★★★★
仕事に対する姿勢や経験年数・上司からの評価が総合的に関わってくるので、自分の頑張りだけではどうにもならない所もあります。
管理職特有の悩みも出てくるでしょうし、絶対おすすめ!とは言い切れませんが、年収、退職金など雲泥の差になります。
副業をする
難易度★★☆☆☆
看護師として働くうえに副業の時間なんてないよ!という声も聞こえてきそうです。
しかし1日1時間だけでも副業に時間を割いてみると、夜勤と同じくらいの稼ぎは割とすぐ作れると思います。
看護師の知識や経験を活かせるものもあれば、まったく違う分野で自分の好きなことを仕事にするもよし。
ぜひ探してみてください。
看護と別の副業をしてみて、看護とは違う自分のスキルを延ばしている方もたくさんいます。
初めはコストがかからないものから、小さく始めていくのがおススメです。
給料のいい職場に転職する
難易度★★★☆☆
人生の分岐点になるイベントなのですぐに転職!というのも勇気がいりますよね。
今は相談だけでも乗ってもらえる転職サイトがたくさんあります。
登録だけしておいて「やっぱり今は転職はやめておこう!」というのもアリですよ。
転職サイトの求人情報を見ているだけでも「こんな求人があるんだ!」という発見が出来て、面白いです!!
同じ業務内容をしていても職場が変われば給料が変わる事なんてよくあります。
せっかく同じように働くなら給料がいいほうが良いですよね。
まとめ
一般的に「看護師は給料が高い」という世間の認識が浸透しています。
でも看護師の世界に入ってみると「仕事内容の割には給料が安い」と感じている人が多いようです。
多職種の給料と比べてみると看護師の給料は安いわけではなさそうですが、看護師特有の仕事の辛さが「割に合わない」という気持ちにさせているのだと言えます。
給料が安いと思った時に出来ることとして、以下の6つを例に挙げました。
- 残業代の申請を怠らない
- 夜勤の回数を増やす
- 資格の取得でキャリアアップ
- 管理職を目指す
- 副業をする
- 転職する
まずは自分に出来ることから始めてみて、収入を上げる挑戦をしてみましょう!
こちらの記事も参考になると思うので、ぜひ読んでみてください。
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