「精神科閉鎖病棟怖い」と聞くと、ドラマや映画で描かれるような怖いイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
「入院している人は危険な人が多いのでは?」「中はどんな場所なんだろう?」と不安に感じることも少なくありません。
しかし、実際に精神科の閉鎖病棟で働いていた経験から言えるのは、そのイメージがすべてではないということです。
この記事では、精神科閉鎖病棟がどんな場所なのか、その実態や怖いと感じる理由を詳しく解説します。
この記事を読めば、閉鎖病棟に対する漠然とした怖さが和らぎ、その役割や重要性についても理解を深められるはずです。
一緒に、閉鎖病棟の「本当の姿」を見ていきましょう。
目次

1. 精神科閉鎖病棟はどんな場所?基本を知ろう
精神科閉鎖病棟とは、主に患者さんの安全を守るために設けられた病棟です。
鍵がかけられた環境で、患者さんが外部へ出られない仕組みになっています。
1-1. 閉鎖病棟の役割
精神科閉鎖病棟の最大の目的は、患者さんが安全に治療を受けられる環境を提供することです。
精神的に不安定な状態にある患者さんが、自分や他人を傷つけてしまう可能性がある場合、外部との接触を制限しつつ治療を行います。
例えば、急性のうつ病で自傷行為が懸念される患者さんや、統合失調症で現実感を失っている方にとっては、閉鎖病棟が安心できる場所となることがあります。
こうした患者さんの状態が改善するまでの間、安全を守りながら治療を進めることができるのが閉鎖病棟の役割です。
1-2. 中の様子は?
閉鎖病棟と聞くと「暗くて怖い場所」という印象を持つ方もいるかもしれません。
しかし、実際の閉鎖病棟は明るい色調で、リラックスできる空間づくりが意識されています。
例えば、私が働いていた病棟では、大きな窓から光が差し込むリビングスペースがあり、患者さん同士が談話を楽しむ姿もよく見られました。
看護師が常に目を配り、患者さんが安心して過ごせるよう努めています。
2. 「精神科閉鎖病棟怖い」と感じる理由とは?
閉鎖病棟に怖いイメージを持つ方が多い理由は、いくつかの要因に分けられます。
それを理解することで、漠然とした不安を解消する手助けになるでしょう。
2-1. 映画やドラマの影響
メディアで描かれる精神科閉鎖病棟は、しばしば「危険な場所」や「逃げ出したくなる場所」として強調されています。
しかし、実際の閉鎖病棟は治療の場であり、患者さんの安全が最優先に考えられています。
例えば、私が病院で初めて閉鎖病棟に足を踏み入れたとき、「意外に穏やかな場所だな」と感じたことを覚えています。
患者さんたちが落ち着いて過ごせる空間づくりに努めているのだと実感しました。
2-2. 鍵がかかっていることへの不安
「鍵がかかっている」というだけで、自由が奪われるようなイメージを抱く方もいるでしょう。
しかし、これは患者さんの安全を守るための措置であり、恐怖を与えるためのものではありません。
例えば、興奮状態にある患者さんが外に出てしまった場合、交通事故に遭うなどの危険が考えられます。
鍵をかけることでこうしたリスクを未然に防ぎ、治療に専念できる環境を作っているのです。
3. 実際に働いて感じた閉鎖病棟の魅力
閉鎖病棟には「怖い」というイメージもありますが、患者さんと深く関わる中で感じた魅力もたくさんあります。
3-1. 人の回復力を間近で感じられる
精神的に不安定だった患者さんが、治療やリハビリを通じて少しずつ回復していく姿を見ると、人の持つ回復力に感動します。
例えば、初めは自室から出ることができなかった患者さんが、少しずつ他の患者さんと会話を楽しむようになったとき、その変化に大きな喜びを感じました。
3-2. 信頼関係の深さ
閉鎖病棟では、患者さんと看護師が密接に関わります。
そのため、他の病棟では得られないような深い信頼関係が築けることがあります。
一度、患者さんが「あなたがいてくれるから安心する」と言ってくれたことがありました。その瞬間、看護師としてのやりがいを強く感じました。
4. 閉鎖病棟の不安を和らげるためにできること
閉鎖病棟に対する不安を少しでも和らげるためには、正しい知識を持つことが大切です。
4-1. 見学や情報収集をする
入院を検討している場合、可能であれば事前に病棟を見学したり、医師や看護師に直接質問してみましょう。
不安な点を解消することが、安心につながります。
4-2. 家族や友人と相談する
閉鎖病棟に入ることに不安を感じる場合、信頼できる家族や友人に相談することで気持ちが楽になることがあります。
まとめ
「精神科閉鎖病棟怖い」と感じるのは自然なことですが、その背景や実態を知ることで不安を和らげることができます。
閉鎖病棟は患者さんが安全に治療を受けられる大切な場所です。
この記事をきっかけに、精神科閉鎖病棟への理解を深めていただければ幸いです。